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Jevクローン × Google Colab:5経路を再現してわかったこと ​

更新日: 2026-09-21。対象リポジトリ: Sunwood-ai-labs/jev-colab-lab

この記事は、Jevの考え方に近い公開Decision Modelの実装を、Google Colab GPUで動かした記録です。対象は Laya、Kev-0.5B、Jevlike、SemIf、OpenJev NLI の5経路。いずれも非公開のTypeSafe Jev本体ではなく、目的・入力形式・学習内容・確率の意味が異なる独立実験です。

結論を先に言うと、通常の選択推論は5件とも実GPUのsanitized JSONを回収できました。一方、JevDashの録画はゲーム能力の正常な比較評価ではありません。特にJevlikeは入力の先頭切り詰めで状態情報が欠落しており、ゲーム結果を能力の証拠として使えません。

先に結論 ​

  • GPU実測: Laya・Kev・JevlikeはColab T4、SemIf・OpenJev NLIはColab L4です。結果JSONのstatusだけでなく、actual GPU/runtimeも確認します。
  • 通常の選択推論: 選択肢の確率、NLIのentailment、load・初回・warmup・steady-state・peak VRAMを、各runnerの定義に従って記録しました。
  • 比較の単位: 同じ「選択」に見えても、Laya/Kev/Jevlikeはdecision head、SemIfは候補文字の次トークンlogit、OpenJev NLIは3クラス分類です。数値を横並びのleaderboardにはしません。
  • ゲーム録画: Level 1・seed 42・60 FPS・8 simulation framesごとの同期判断です。推論待ち時間はsimulation timeに含まれません。単一seed・各1episodeなので順位は出せません。

1. 何を動かしたか ​

経路GPU推論の形入力・学習の範囲
Laya / ModernBERTT4choice・score・noulを1回のdecision呼び出しで出力公開英語checkpoint。今回のfixtureはサポート問い合わせで、公式ベンチマークの再計測ではありません。
Kev-0.5BT4packedとseparateのpointer readout公式decision model+adapter。今回のfixtureは動作・確率・計測用です。
JevlikeT4TinyScorerのoption softmaxbyte/position embeddingをスクラッチ学習し、合成badge選択だけで4 epoch。ゲーム学習はありません。
SemIf / Qwen3.5-4BL4宣言したA/B/C等のsingle-token logitsを候補内softmax直接next-token readout。NLI headや回答文生成は使いません。
OpenJev NLI 4BL4contradiction・entailment・neutralの分類初版4B NLI checkpointと、公開・合成の5問×3仮説fixture。35Bとv2は対象外です。

各実験のresult JSONがcanonicalな証跡です。status=ok/successだけではGPU成功とせず、JSON内の実GPU名、runtime、error、計測境界を一緒に読みます。

2. 通常の選択推論の実測結果 ​

ここでいう確率・正答率は各fixtureとreadoutに条件付いた値です。一般性能、校正済み信頼度、本家Jevとの同等性を意味しません。

経路選択推論の観測計測の抜粋読み方の制限
Laya / T4department=billing、確率 0.9254singleのsteady平均 36.17 ms(20回)、model load 22.96 s公開英語checkpointのsynthetic support fixture。confidenceを一般の信頼度として再解釈しない。
Kev / T4department=returns、確率 0.85steady forward平均 50.12 ms(10回)、packed/separate最大差 4.17e-7現行ColabのTorchは公式pyprojectの制約外なので、完全な依存ロック再現ではなく、固定モデル経路のT4実行記録。
Jevlike / T4amber badger、確率 0.5839。test top-1 81.25%、shuffled-context control 19.53%steady p50 0.81 ms(20回)、4 epoch学習 1.37 s512/128/128件の合成badge選択だけ。ゲームの入力不備とは別に、これは小さなsynthetic実験の値。process-cold起動時間ではありません。
SemIf / L4route-1=account_access、条件付き確率 0.99998model load 55.76 s、steady per-decision平均 94.42 ms候補文字に制限したoption scoreであり、校正済みdecision confidenceではありません。
OpenJev NLI / L45問のfixture decision accuracy 5/5model load 51.83 s(cache coldなら取得込み)、15 pair batchのsteady平均 255.31 msentailment最大で候補を選ぶNLI分類。5問の合成fixtureだけで、一般ベンチマークではありません。

詳細なload・初回・warmup・steady-state・peak VRAM、依存version、固定revisionは各JSONを参照してください。

3. 5冊のColab notebookへのリンク ​

GitHubリンクはnotebookの中身を読む入口、Colabリンクはそのnotebookを開く入口です。Notebookは薄いentry pointであり、実験によっては同じフォルダのrunner・fixture・pyproject.tomlも必要です。結果を再現したい場合は、まず各実験READMEの依存関係と固定revisionを確認してください。

経路 / GPUNotebook実行方法確認範囲と制限
Laya / T4GitHub · Colabで開くbenchmark_laya.pyを/content/benchmark_laya.pyへuploadし、依存install後にnotebookをcolab exec。single/batchのchoice・score・noul、速度・VRAMを測る。Layaの公式汎用英語checkpointのみ。
Kev-0.5B / T4GitHub · Colabで開くt4_inference.pyを/content/t4_inference.pyへuploadし、notebookから実行。packed/separate readoutの整合性とレイテンシ。モデル重みは保存しない。
Jevlike / T4GitHub · Colabで開く固定した実験commitのrunnerをdownloadし、uvで上流をinstall、合成データを学習して実行。synthetic badge選択の短時間実験。JevDashゲーム結果は入力欠落のため能力評価に使えない。
SemIf / L4GitHub · Colabで開くrepoをColab VMに配置し、experiments/semifを作業ディレクトリにしてuv sync→fixture検証→runner。Qwen3.5-4Bの直接option-logit。候補集合に条件付いたscoreで、NLIではない。
OpenJev NLI 4B / L4GitHub · Colabで開くrepoをexperiments/openjev-nliで開き、uv依存準備→fixture→測定runner。初版4B NLIの3クラス確率と5問fixture。v2/35B・公開ベンチマーク比較は含めない。

5冊すべてについて、ローカルファイルのJSON parse、パス、cell構造、対応READMEとのrunner名を確認済みです。Colab上の新しいruntimeでの再実行は、この記事作成のためには行っていません。

4. WindowsホストからWSLで実行する ​

公式のGoogle Colab CLIは、現時点でLinux/macOS向けでWindowsをサポートしていません。WindowsホストではWSL UbuntuをCLI実行環境にします。CLIの公式READMEにあるとおり、uv tool install、colab new --gpu、colab exec、colab download、colab stopの流れを使えます。

最初の確認はWSL側で行います。

bash
uv tool install google-colab-cli
colab --help
colab version

手動sessionを使う場合は、実験ごとに名前とstate fileを分けます。

bash
CFG=/tmp/jev-laya-colab-state.json
colab --config "$CFG" new --session jev-laya --gpu T4
# upload / install / exec / download は experiments/laya/README.md の手順を使う
colab --config "$CFG" stop --session jev-laya

実験ごとの原則は次のとおりです。

  • session名は jev-<slug> のように一意にし、別タスクのruntimeを再利用しない。
  • --configのstate fileはgit worktree外に置く。session log、endpoint、OAuth/ADC情報はcommitしない。
  • 結果JSONをdownloadして内容を確認してから、自分が作ったsessionだけをstopする。
  • colab runのephemeral実行を使う実験は、終了時にruntimeが解放される仕様でも、結果回収とstatus確認を行う。
  • quota・entitlement・認証で作成できない場合は、同じGPUの無限再試行や課金をせず、blockerとして記録する。

5. uv・worktree・runtimeを分けた理由 ​

各実験のPython依存は experiments/<slug>/pyproject.toml とlockfileに閉じ、コマンドはuv runまたはColab VM内のuv経由にしました。実験タスクは独立worktree・独立branchで作業し、別タスクの未コミット変更やruntimeを共有しません。

これは同じモデルの性能を揃えるための仕組みではなく、次の混同を防ぐための実験運用です。

  • ローカルCPU smoke testをColab GPU成功と扱わない。
  • requested GPUと、result JSONに記録されたactual GPUを区別する。
  • model load、初回推論、warmup、steady-state、peak VRAMの境界が違う値を横比較しない。
  • fixture正答率を一般化性能と呼ばない。

6. 上流実装・学習内容・revision・license ​

実験で使った固定値はNOTICE.mdと各source manifestに記録しています。主要な確認結果は次のとおりです。

対象固定した一次資料実験で確認した範囲
Laya実装 commit d113dca、checkpoint revision 1c5edcDecisionModel、ModernBERT-large系の公開英語checkpoint、Apache-2.0。laya-typed-decisionsは今回使っていません。
Kev実装 commit ac67bf4、adapter revision edf1dc、Qwen2.5-0.5B revision 060db6公式DecisionModel/encode/adapter headの経路を使用。実験runnerがCUDAを明示するT4検証であり、公式コードの自動CUDA選択を主張しません。Apache-2.0の境界は上流資料を参照。
Jevlike実装 commit 94f5fd1、data.py、MIT licenseTinyScorerのbyte/position embeddingをスクラッチ初期化し、write_syntheticのbadge選択データだけで学習。上流MIT、ゲーム学習なし。
SemIf実装 commit ca3ba65、Qwen3.5-4B revision 851bf6SemIfはMIT、QwenモデルカードはApache-2.0。宣言したsingle-token回答slotのlogitだけを読む直接readoutで、NLI classifierではありません。
OpenJev NLI4B初版 revision b32265、model cardqwen3.5-4b-nliのみ。モデルカード側のMIT、base Qwen3.5-4BのApache-2.0を別々に扱い、v2/35Bは除外。

この区別があるため、「5つのJevクローンが同じモデル」「同じ学習をしている」「Jev本体と同等」とは書けません。

7. JevDash録画はゲーム能力の比較ではない ​

固定したゲームはSunwood-ai-labs/jevdashのcommit eb2f926です。Level 1、seed 42、60 FPS、8 simulation framesごとに1判断、最大1800 simulation framesという同じ枠で、5本の録画をgit外に保存しました。ゲーム本体は変更していません。

ただし、これは同条件の単一episodeを残すための観測であり、能力評価の完了を意味しません。同期推論の待ち時間中はゲーム物理を進めず、動画・simulation timeにも推論待ちを入れていないため、到達xや30秒timeoutをGPU速度の順位として読めません。

経路録画の観測判定
Laya / T4225判断、30秒上限でtimeout、x=2470(5本目の土管付近)実モデル経路の1episode。クリア性能の証明ではありません。
Kev / T48判断すべてleft、開始位置のx=96のまま左へ落下x=96は最大走行距離ではなく開始座標です。
Jevlike / T427判断、3.6秒でdeath、全てright_jump、x=1454.6ゲーム能力評価として無効。入力欠落が確定しています。
SemIf / L4225判断、30秒timeout、x=486(最初の土管付近)1episodeの停止観測。
OpenJev NLI / L4225判断、30秒timeout、x=486(最初の土管付近)1episodeの停止観測。

Jevlikeの入力欠落 ​

Jevlike上流のByteCollatorは、コンテキストをUTF-8 byte列にして[:context_tokens]で先頭から切ります。今回のgame adapterは長い定型指示の後ろにJevObservationのJSONを連結し、context_tokens=192を指定していました。

作業時に確認したsanitized episode JSONでは、次の3点が揃っています。

  • 全27判断で、モデルへ渡ったcontextの先頭192 bytesが同一。
  • 27回すべて確率ベクトルが同一で、argmaxはright_jump。
  • 物理216 frames、simulation time 3.6秒でdeath。TinyScorerは合成badge選択512例などで学習しており、ゲーム学習はありません。

従って、これは「ゲームを理解して常に同じ行動を選んだ」結果ではなく、状態情報が入力に届かなかった接続不備の記録です。

8. JevDashクリアへの改良実験と原因究明の全貌 ​

初期実験の後、全モデルに対して原因の徹底究明と改良実験をColab実機(T4/L4)にて実施しました。その結果、SemIf(モデル単独)、Jevlike(教師学習モデル単独)、Laya(2択制限+補助付き)の3件でSTAGE CLEARを達成・実証しました。

対象初回実験改良後の実機結果達成要因と実態
SemIf (Qwen3.5-4B / L4)最初の土管 (x486) で停止モデル単独CLEAR (647 frames, 81判断)rules-v2 による物理ルール・距離意味の明示。実行時上書き 0。
Jevlike (TinyScorer / T4)入力欠落バグで即死 (x1454)モデル単独CLEAR (647 frames, 81判断)入力欠落修正+ゲーム教師データ学習(r2)。全判断が right_run_jump にコラプス。
Laya (ModernBERT / T4)通常ジャンプ偏りで死亡クリア達成 (651 frames, 82判断)行動を2択(走る/ダッシュジャンプ)に制限+毎frame reflex補助(60/651 frames上書き)。7択およびモデル単独は未クリア。
Kev (0.5B / T4)開始位置 (x96) から落下未クリア (1800f timeout, x96)rules-v2 適用でも全225判断が jump にコラプス。入力改善だけでは不十分。
OpenJev NLI (4B / L4)最初の土管 (x486) で停止未クリア (1800f timeout / 落下死)モデル単独は全判断 right にコラプス。補助付きでも歩行初速不足により388f (x2400) で落下。

原因の切り分け ​

  1. 接続実装の不具合: Jevlikeの初期失敗は、モデル能力ではなく192バイト制限で状態JSONが切り落とされていたことが原因。修正により正常に入力が伝達。
  2. プロンプト表現と候補順依存: SemIfの実L4監査(96条件)で、旧プロンプトは候補順依存が強いことが判明。距離や物理の意味を説明する rules-v2 により判断が安定化しクリアへ。
  3. 教師データの偏り(Action Collapse): Jevlike r2の教師データは約97%がジャンプだったため、実機でも全ダッシュジャンプに固定化。Kevも全 jump、OpenJev NLIも全 right にコラプスしており、単なるプロンプト調整だけでは打破できない行動偏りの課題が浮き彫りになりました。
  4. 毎フレーム補助(Reflex Assist)の役割: 本家JevDashの毎フレーム補助は、モデルが8フレームごとの大まかな方針(マクロ行動)を出しても微小な地形・敵を乗り越える補助輪として機能します。Layaではこの補助(60フレーム上書き)と2択制限の組み合わせでクリアを達成しました。一方、OpenJevのように基礎行動が低速歩行の場合は、補助がジャンプを発火させても穴を飛び越えられない物理的限界が存在します。

独立した物理再生検証 ​

すべてのクリアエピソード(SemIf, Jevlike, Laya)は、ログの生アクション列から固定ゲーム環境(CPU)で全フレームを独立再実行する検証器(experiments/control-audit/verify_episode_replay.py)により、全647〜651フレームの座標・速度・得点・勝敗状態が100%完全一致することが確認されています。

詳細は JevDash 改良実験の検証記録 (IMPROVEMENT_REPORT.md) を参照してください。

9. 再利用する際の境界 ​

  • notebookは固定revisionやrunnerを確認する入口です。Colabで再実行した結果は、既存JSONを上書きせず別名で保存してください。
  • loadがdownload込みか、first inferenceがprocess-coldか、steady-stateが何を含むかは実験ごとに違います。
  • local CPU、fixture test、notebookのJSON parseはコード経路の確認であり、Colab GPU成功の代わりにはなりません。
  • 外部管理のMP4・代表フレーム・ゲームepisode JSONは、このリポジトリに公開URLを持たせていません。公開成果物はrunner、notebook、sanitized result、source manifestです。
  • 認証情報、OAuth link、session metadata、private input、model weightsは公開しません。

次に読むなら、改良実験の検証記録、実験一覧、再現性、出典とライセンス、または各実験のREADMEがおすすめです。

Sanitized research records; not a production decision service.